幸せなドボルザーク。と私

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幸せなドボルザーク。と私

近藤です。

夫と私は弦楽楽団の楽団員です。

この夏、ドボルザークの弦楽セレナーデ(Op.22)を演奏しました。

ドボルザークの人生の中で幸せで穏やかな時期に作られたもので優しい甘い曲です。

 

私のイメージではいい風が吹く秋の午後、金色に輝く山並みなんですよね。

だからみんなでこれを演奏できることが嬉しくて顔が笑ってしまいます。

しかし私たちが普段練習している場所で素晴らしい演奏をしても、笑えないことがあるのです。

 

音はナマモノ。

場所によって変わります。空気と同じで形もないしそこにとどまらない。

つまり場所が変われば音の伝わり方が変わるのです。

おまけに弦楽器は温度で弦が伸び縮みするので、ライトが当たるととほほなことになることもあり。

私たちのようなひよっこ楽団にとってはそれはかなりキツイことなのです。

 

舞台の前にいつもの場所より少し大きいところで2度ほど練習しました。

その際に色々変更。

本場2時間前の現地リハーサルでまたあれこれ変更。団員は大変です。

指揮者はそんなみんなの苦労の上に立ってああ、楽しいわと笑って棒を振らせてもらえるのです。

そう思うとこの一曲が余計に愛おしく、頑張って練習した団員にも聴いてくださったお客さんにもドボルザークの幸せな気持ちが届きますように、と思いながら演奏しました。

 

そしてまだ指揮棒を下ろしたくないな、と思いつつ最後の一音を聴き、私の夏が終わりました。

 

では、また。